新卒で新人の保育士をしています。
職場の人間関係がきつくて仕事に行くのが嫌になります。
このように、職場で人間関係の悪さに直面し、疲弊してしまう新人保育士は多いのではないでしょうか。
そもそも保育士は人間関係の悩みがつきない職業です。
その原因の一つは、保育園が女性社会の職場であるから。
保育園は男性保育士が増えてきたものの、それでも大半が女性です。
なので、女性独特の人間関係によってこじれやすくなっています。
そこに「新人」というポジションが加わることによって、新人保育士ならではの悩みが誕生するのでしょう。
この悩みを解決するには、
・「新人だからできなくて当たり前」の精神
・「ドライな人間関係」を作る心がけ
がキーポイントになってきます。
この詳細は本記事で詳しく解説していきますので、ぜひ最後まで読んで参考にしてくださいね。
この記事を書く私は、保育歴8年の元保育士です。
私も新人の頃はかなり人間関係に悩んだタイプでした。
「辞めたい」と思ったことも何度もありました。
所々で、私の体験談や見解もお話していこうと思うので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
- 新人保育士が人間関係で悩む理由
- 新人保育士が適切な人間関係を作るコツ
新人保育士が人間関係で悩む5つの理由
では早速、新人保育士が人間関係で悩む5つの理由をみていきましょう。
- 指導をちゃんとしてくれない
- いじめられる
- 保育観が合わない
- 疎外感を感じる
- 保護者対応がうまくいかない
順番に解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。
①ちゃんと指導してもらえない
先輩からの指導や教育をちゃんとしてもらえずに悩む新人保育士は多いです。
当たり前のことですが、新人というのは最初は何もわかりません。
それなのに、丁寧に仕事を教えてもらえない状況に置かれる人もいます。
以下のエピソードは、ちょっと意地悪な先輩保育士に当たってしまったときの指導内容です。
SNSの声や私の実体験をもとに、まとめました。
- ろくに教えてもらえていないのに「そんなこともわからないの?」と、ののしられる
- わかないから聞いたのに「自分で考えて」と、つけ離される
- わからないなりにトライして失敗して、怒られる など
もはやこれは、指導とは言えませんね。
先輩からこのような対応をされたら、新人保育士は萎縮してしまうでしょう。
②いじめられる
人間関係の問題で1番怖いのが、いじめられてしまうこと。
保育士の中には、新人の粗探しをして攻撃してくる人がいます。
また、新人はできないことが多くて当たり前なのに、「覚えが悪い」と一方的に怒ってくる先輩もいます。
正直、そのような意地悪をする保育士は人として未熟と言えるでしょう。
保育園は女性社会なので、陰湿ないじめが発生しやすい環境。
新人は立場が低いという観点から、いじめのターゲットになってしまう可能性があります。
いじめを起こすのは実は、先輩保育士だけではありません。
施設のトップである園長がいじめる側になることも!
このような環境であれば、体に不調をきたしかねないので、退職や転職を考えてもいいでしょう。
③保育観が合わない
先輩保育士と保育観が合わないことも、人間関係の疲労につながります。
例えば、以下のような先輩の保育を見て、心がザワつく方はいるでしょう。
- できない子、遅い子に厳しい
- 子どもの対応が雑
- 子どもにすぐ怒る など
「もっと子どもと丁寧に関わりたい」
「できないことも丸ごと受け止めてあげたい」
このような思いがある新人保育士にとって、上記の保育は見ていて心苦しくなるかと思います。
やりたくない保育を目の前で見ていく中で、先輩保育士への不満が蓄積していくでしょう。
私も先輩と保育観が合わないという理由で、ストレスをためた経験があります。
子どもに向かって「早くしろ!」「いいかげんにしろ!」と言う先輩で、一緒に保育をしているのが辛かったです。
④疎外感を感じる
同期の保育士がいないことで、疎外感を感じることもあります。
新人保育士にとって、同期は心強い存在。
新人ならではの悩みや不安を共有することができるからです。
同期がいるのといないのとでは、安心感が全然違うでしょう。
また新人保育士は、先輩保育士との距離感が難しい時期ということもあり、職場の輪に入りづらい人もいると思います。
そのため、なかなか仲良くなれないという状況から、疎外感を感じる人もいるでしょう。
⑤保護者対応がうまくいかない
新人保育士は、保護者対応がうまくいかなくて悩むことも。
保護者は最初、新人保育士が「どんな人なのか」「信頼していいのか」などをチェックするので、信頼関係を築くまでに時間がかかります。
その間に自信をなくしてしまったり、保護者対応に疲れ果てたりする新人保育士は少なくありません。
また、保護者からはこどもの成長に関すること、子育ての悩みなどの相談がよくあります。
新人のうちは知識も乏しければ、相談に乗る経験も少ないため、思うような受け答えができず落ち込む人も多いでしょう。
新人の保育士が良好な人間関係を作るコツ5つ
職場で良好な人間関係を作るコツを5つ紹介します。
すべての内容が新人の保育士向けとなっているので、ぜひ参考にしてください。
- 新人だからできなくても当たり前と思う
- ドライな人間関係を心がける
- 謙虚な気持ちを大切にする
- こまめなコミュニケーションをとる
- 報・連・相は徹底する
①新人だからできなくても当たり前と思う
まずは、「新人だからできなくても当たり前」という意識をもつことが大切です。
この意識が持てると、先輩に物怖じせず質問したり、過度に失敗を恐れたりすることがなくなるでしょう。
新人保育士の中には、同じクラスの先輩に対して「仕事ができない人間ですみません」という気持ちを持つ人もいます。
それが、ギスギスとした溝を深めていく原因にもなるでしょう。
また、自分に厳しい新人保育士もたくさんいます。
したがって、「先輩に迷惑をかけちゃいけない」「仕事は1回で覚えなきゃいけない」などと自分に厳しいルールを設定しがち。
結果的に、うまくいかなくて自信を失ってしまう人は多いでしょう。
もっと自分に優しくしていいんですよ!
自分に厳しいと思った方は、自分のハードルを下げてみてください。
例えば、以下のような思考の転換方法があります。
【転換方法の例】
◎先輩に迷惑をかけることに抵抗がある人は、「みんな最初はできなくて仕方ないよね。今はたくさん迷惑かけちゃうけど、その分立派な保育士になろう!」と考える
◎仕事は1回で覚えなきゃいけないと思い込んでいる人は、「1回で覚えられる新人なんていない。わかるまで先輩に聞いて、しっかり力をつけていこう!」と考える
◎保護者が受け入れてくれないと心配している人は、「新人のうちは距離があって当たり前。子どもの可愛いところや成長した姿を伝えていく中で少しずつ心を開いてくれたらいいな!」と考える
繰り返しになりますが、新人は最初はできなくて当たり前です。
ですから新人としての基本に立ち返って「わからないから聞く」「できないから教えてもらう」ということをしてみてください。
そうすることで謙虚な気持ちで先輩の指導を受けることができ、よりよい人間関係が築けるでしょう。
それでも先輩保育士が意地悪な態度を取ってくるのなら、それは先輩に問題ありです。
人として、先輩としての器が小さい状態。
攻撃を受けないよう距離を取るのが得策です。
次にあげる2つ目のコツが参考になると思います。
②ドライな人間関係を心がける
職場に濃い関係を求めすぎると人間関係がこじれやすいので、ドライな人間関係を心がけることも仕事をするうえでは大切です。
これは保護者との関係にも当てはまります!
特に新人の頃は、「みんなから受け入れてもらわなきゃ!」という意識が強く、濃い人間関係を作ろうとしがちです。
濃い人間関係とは?
「職場のみんなから好かれるべき」
「保護者のみんなから好かれるべき」
「友だちのような人間関係であるべき」
こんな考えがある方は、職場に濃い関係を求めていると言えます。
なんで、職場に濃い関係を求めちゃいけないの?
と思った方もいるでしょう。
それは、人間関係に求めるハードルが高すぎるがゆえに、正常な人間関係が作れなくなるからです。
例えば、職場に濃い関係を求める人は、関係づくりがうまくいかなかったときに疎外感を人一倍に感じやすいです。
疎外感があると、居心地が悪くなって職場の人に心を閉ざしがち。
自分は孤立していると思い込んでしまい、自ら自分の居場所をさみしいものにしてしまう傾向があります。
また、理不尽に怒ってくるような先輩がいたとしても、濃い人間関係を求める人は、仲良くなろうとして危険な相手でも自ら近づいていこうとします。
普通だったら、めんどくさい人間関係に巻き込まれたくないのでうまく距離を取るものです。
もう1度繰り返しますが、職場の人間関係は、あっさりでドライな関係でいた方が案外うまくいきます。
その理由としては、人間関係に執着せず、仕事を中心にして動けるからです。
なので、濃い関係を求めすぎている人は、職場の人とは仕事上だけの付き合いだと割り切ってみましょう。
保護者対応でも同じ事が言えます。
保護者と仲良くなることが優先になって焦っている人は、仕事だと思って対応していくと返って自然に信頼関係を築いていくことができますよ。
③謙虚な気持ちを大切にする
謙虚な気持ちでいることは大切です。
特に、新人の頃は先輩に教えてもらうこと、迷惑をかけることが多いので、謙虚な気持ちでいることを心がけましょう。
そうすることで、指導する側も気持ちよくサポートができるはずです。
さっき、職場ではドライな関係でいるべきって言ってたよね。
だから、ドライな態度でいるべきじゃないの?
と思う方もいるかもしれませんが、ドライな関係でいることと、謙虚でいることは別の話です。
お互いが気持ちよく働くために、謙虚な気持ちでいることは大切。
働きやすい人間関係を構築することで、子どもたちも安心して過ごすことができるでしょう。
謙虚さは、保護者に対しても持つべきです!
働いて子育てをするパパ・ママに敬意を表して対応していくと、保護者も心を開いてくれるでしょう。
④こまめなコミュニケーションをとる
先輩たちと信頼関係を築くために、こまめにコミュニケーションをとることを取るようにしましょう。
これこそ、さっき言ったドライの関係と矛盾してない?
と思うかもしれませんが、仕事に必要なコミュニケーションは意識的にとっていくべきです。
特に、同じクラスの先輩保育士との信頼関係は大切なので、コミュニケーションは積極的にとっていきましょう。
そんなに、同じクラスの先輩との信頼関係って大事なの?
信頼関係がなくても仕事はできるけど!
と思う方もいるでしょう。
結論から言うと、職員間の信頼関係は仕事に必要です。
なぜなら、信頼関係の温かさが子どもに安心感を与え、信頼関係の強さが保育の質を高めていくからです。
また、信頼関係を構築していくことで、お互いの意見を言いやすくなります。
保育観のずれがある場合も、話し合いの機会が作りやすくなるでしょう。
新人保育士は、なかなか意見を言えずうっぷんがたまってストレスになることが多いと思います。
そのようなストレスをためないためにも、日頃からコミュニケーションをこまめにとって、自分の意見を言いやすい環境を作っていきましょう。
私は、コミュニケーション力がそこまで高くありませんでしたが、
「子どものため」「仕事のため」と思って、コミュニケーションを取るようにしていました。
職員間の信頼関係は、それでもしっかり作れましたよ。
⑤報・連・相をしっかり行う
社会人にとって大事な「報告」「連絡」「相談」はしっかりと行うことが大切。
最初のうちは、
「これは報告すべきかな?」
「この連絡は必要かな?」
「こんなことを相談してもいいのかな?」
と一回いっかい悩んでしまうでしょう。
しかし、報連相をしなかったことで、状況が悪化することはよくあります。
なので、報連相はこまめに行った方が良いでしょう。
基本的に、報連相さえしっかりしていれば、大きなトラブルに発展していくことはないと思います。
どうしても人間関係に耐えられないなら転職するのもあり!
「自分ではいろいろ試してみたけど、改善されない」という方もいると思います。
それは、相手や保育園に問題がある可能性もあるでしょう。
例えば、
「園長がいじめの主犯になっている」
「どうやっても先輩の意地悪が止まらない」
「子どもを大切にしない保育が蔓延してる」
など。
このような環境の中で働き続けると、心身の不調をきたしかねません。
なので、改善が見込めない問題がある場合は、転職を検討してみましょう。
問題を解決しようと頑張り続けるよりも、元から問題のない保育園に転職した方が現実的だと思います。
転職する際は転職エージェントを利用するのがおすすめ!
転職サイトには、「人間関係良好な園」というニッチな求人を多数そろえています。
しかも多くの担当者が、実際に施設まで足を運んで内部事情をリサーチしているので、人間関係のリアルな様子を聞くこともできます。
また保育業界に精通した担当者ばかりなので、あなたの悩みに丁寧に寄り添い、あなたにあった求人をピックアップしてくれるでしょう。
おすすめの転職サイトを「【利用者が解説】保育士におすすめの転職サイト|ランキング5選」の記事にまとめているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
まとめ:新人保育士は人間関係のハードルをちょっと下げよう
というわけで今回は、新人保育士が人間関係で悩む理由と良好な人間関係を作るコツを解説しました。
新人保育士は、保育の仕事も社会経験もほとんど初めての方ばかりだと思います。
だからこそ、社会でうまくやっていくために頑張りすぎてしまうのでしょう。
しかし、無理をしすぎず身の丈にあった頑張りをすればOKです。
少しハードルを下げて、良好な人間関係を作っていきましょう。
- 新人だからできなくても当たり前と思う
- ドライな人間関係を心がける
- 謙虚な気持ちを大切にする
- こまめなコミュニケーションをとる
- 報・連・相は徹底する
保育士の人間関係の悩みについてもっと知りたいという方は、以下の記事にもぜひ目を通してみてください。