- 保育士の離職率が高いというウワサは本当?
- 保育士の離職率が高まりやすい原因はなに?
- 離職率が低い保育園の選び方ってあるの?
結論から言うと、保育士全体の離職率は9.3%とそこまで高くありません。
とはいえ、保育士が働く環境は人間関係が悪かったり、低収入や残業が当たり前だったりと辞めたくなる原因はいくつもあります。
ウワサと現実の違いは、保育園によって労働環境が大きく異なるからでしょう。労働環境を改善している園もあれば、ブラック園と言われるようなところもあります。
そこで今回は、公式データからわかる「保育士の離職率」と「離職理由」を詳しく解説していきます。
離職率が低い職場を見分けるコツも紹介しているので、働きやすい保育園を探すときの参考にしてください。
保育士の離職率は低い?高い?最新情報を解説
では早速、保育士の離職率をみていきましょう。
以下は、厚生労働省が行なった調査の結果です。
保育士全体の離職率は9.3%です。
厚生労働省の別の調査で、一般労働者の離職率が11.4%となっているので、保育士の離職率は全体的に見てもそれほど高くありません。
また、公立保育園の離職率は5.9%に対し、私立保育園の離職率は10.7%と数値が高めです。
その理由は、公務員にあたる公立園の方が昇給・昇格率が良く、福利厚生も整っている傾向があるからでしょう。
さらに、経験年数で離職率をみてみると4年未満の数値が大きく、若手の保育士の離職率が高いのがわかります。若手だと役職がつきにくいので給料も低く、人間関係や仕事量に悩みやすい時期だからでしょう。
保育士が離職する原因をランキング調査から読み取る
ここからは保育士が離職する原因を深掘りしていきます。以下は、「保育士の退職理由」を数値が高い順に並べたデータです。
中でも上位4つにランクインしている労働環境の問題にスポットを当て、保育士を辞めたくなる原因をみていきましょう。
- 職場の人間関係
- 給料が低い
- 仕事量が多い
- 労働時間が長い(残業が多い)
では順番に解説していきます。
原因①職場の人間関係
まずは、職場の人間関係が退職理由のトップでした。
そもそも、保育園は女性が多い職場なので女性特有のトラブルが起こりやすい環境。
- いじめ
- 派閥争い
- ねたみ・ひがみ
- マウンティング など
また、独裁的な園長や指導がきつい先輩など、特定の人との関係に悩む人も多いでしょう。
原因②給料が低い
退職理由で次に多かったのは、給料の低さです。厚生労働省の調査の調査によると、保育士の平均月収は手取りだと20万円以下。年収は、300万円以下という結果。
私立保育士は役職が少なく人件費の予算も限られているので、昇給率はとても低いと言えるでしょう。
また、中には地域や経験年数によっては手取りが13万円を下回るケースも。
子どもの命を預かる責任の重い仕事に対して、給料が見合っていないと感じる人も少なくありません。
原因③仕事量が多い
続いて、仕事量の多さが保育士の退職理由の上位でした。保育士は子どもと一緒に過ごすだけでなく、常に複数の仕事を並行して進めています。はっきり言って、8時間労働で片付けられる仕事量ではありません。
また、保育士が不足している園だと一人当たりの負担が増えるので、状況はより深刻になりやすいです。
原因④労働時間が長い・残業が多い
最後は、労働時間の長さと残業の多さです。保育士は書類の締め切りや行事に追われて、よく残業をしています。
その理由は先ほど説明したとおり、保育士一人あたりの仕事量が多く勤務時間内に全ての仕事を片付けるのが難しいから。
そもそも、子どもの保育に入りっぱなしで、他のタスクをこなす時間をちゃんと与えられていない園が多いです。
要するに、残業をせざるを得ない環境だと言えるでしょう。
保育士が離職率の低い職場を見分ける5つのポイント
できることなら、定着して働ける保育園で仕事がしたいですよね。そこで、保育士の離職率が低い職場を見分けるポイントを紹介します。これから保育士を目指す人、または他の園に転職を考えている人はぜひ参考にしてください。
すべて求人票の閲覧または園見学・面接の際にチェックできる情報です!
- 職場の雰囲気が良い・人間関係が良好
- 給料が高く、手当やボーナスが充実している
- 保育士の数に余裕がある
- 休憩が確保されている
- 残業が少ない
①職場の雰囲気が良い
まず人間関係の良さと働きやすさはイコールな関係にあるので、職場の雰囲気が良い園は離職率が低めです。
例えば、職員間の関係が良好な職場は以下のとおり。
- 笑顔が多い
- 自分の意見が言いやすい
- 声を掛け合って連携を取っている など
意見が言いやすいかどうかは、後輩と先輩の関係性を見ればわかるはず。他にも、保育士同士の会話や声かけ、表情などから職場の雰囲気を感じ取れるでしょう。園を訪問した際に、できる限りの情報収集をしてみてください。
②手当やボーナスが充実していて給料が高い
長く働くためには、給料の高さも大事なポイントです。求人を見る際は、手当やボーナスが充実してるかどうかをよくチェックしましょう。
例えば、手当には以下のようなものがあります。手当が充実していると、手当金が加算されて給料UPが見込めるのでしっかり確認しておきましょう。
- 資格手当:保育士資格保有者
- 特殊業務手当:主に行事で忙しい時期に支給される手当
- 住宅手当:賃貸の家に住む保育士の家賃を園が一部保証。
- 借り上げ社宅制度:賃貸の家に住む保育士の家賃を国や自治体が最大8万2,000円を補助
また上辺だけの情報に騙されないよう、求人票を見る際は以下に注目するのが大切。
- ボーナス支給実績が記載されている
- 給料の内訳がしっかり明記されている
「ボーナスあり」「給料高め」の言葉だけでは情報が薄いです。信ぴょう性のある明確な数字や内訳・実績を載せている求人をチェックしましょう。
③保育士の数に余裕がある
続いて、保育士の数に余裕があるかどうかも注目すべきポイント。
子どもの安心・安全または保育士の負担に配慮している園は、配置基準に+αの職員を雇っています。
逆に言うと、以下のような園は保育士不足が懸念されます。園見学や面接の際のチェックポイントにしてください。
- 産休や育休の保育士の埋め合わせができてない
- 新人保育士が一人で大人数のクラスを担当している
- クラスがまとまってないのにサポートする保育士がいない
- どのクラスも配置基準ギリギリでカバーし合える状況ではない
ゆとりを持って仕事をするためにも、職員数の確認を忘れずに行いましょう。
④休憩が確保されている
また長く働きたいなら、休憩がしっかり確保されている保育園を探すのも大切。
そもそも休憩は、労働基準法で義務付けられている労働者の大事な権利です。法律で定められた正しい休憩の取り方は以下のとおり。
- 時間いっぱい休憩できるか
- 完全に仕事から離れている環境か
- 落ち着いた場所で休憩が取れるか など
つまり、給食や午睡時間を休憩に当てている保育園や休憩中に書類を書かせている園は完全NGです。
なお、休憩をしっかり取るには人員の確保も必須!
職員数を見て「この人数で休憩って回せるのかな?」という視点を持つのも大切です。
⑤残業が少ない
離職率の低い保育園を見分ける最後のポイントは、残業が少なさです。仕事とプライベートのメリハリを大切にしている人は多いでしょう。
残業が少ない園の特徴を以下にまとめました。
- 行事が少ない
- 保育士の数に余裕がある
- 定時上がりの意識が園全体で強い
残って仕事をしないための環境が整っているかどうかを、よく確認しましょう。
まとめ:保育士の離職率の低い働きやすい保育園を探そう
はっきり言って、保育園の労働環境にはアタリ・ハズレがあります。働きやすい職場にしようと努力している園もあれば、改善する気のない園もあるため、勤め先によって環境はさまざま。
「これから保育士になりたい」「今後、他の保育園に転職を考えている」という人は、自分の目でアタリとハズレを見極める力が大切。離職率の低い働きやすい職場を探しましょう。
- 職場の雰囲気が良い・人間関係が良好
- 給料が高く、手当やボーナスが充実している
- 保育士の数に余裕がある
- 休憩が確保されている
- 残業が少ない
なお、保育園選びには転職サイトの利用がおすすめです。たくさんある求人の中から、あなたの希望条件に合うものを紹介してくれるはず。
また専属の担当者がついて、面接や履歴書作成のアドバイス、給与などの条件交渉などを手厚くサポートします。一人だと不安な職探しも安心・スムーズに進められるでしょう。
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